ウスバフユシャクとクロテンフユシャク
(Inurois fletcheri & Inurois membranaria)


ウスバフユシャク(写真左) オス(cat.2156) 上05.12.23 神奈川県津久井町志田峠 開張28mm 下07.12.18 山梨県河口湖町西湖付近
シャクガ科フユシャク亜科の蛾で、山地にも平地にも全国的に産する普通種。山地では11月中旬〜12月中旬にかけて発生し、平地では12月中旬〜2月上旬にかけて発生する。ブナ科、ニレ科、バラ科、カエデ科、カキ科で20種弱ほどの食草が知られ、個体数も多く、採集は比較的簡単である。大きさ、斑紋、色彩は変異に富み、クロテンフユシャクや他近似種との誤同定には注意を要する。
クロテンフユシャク(写真右) オス(cat.2155) 06.1.15 神奈川県相模原市大沼 開張28mm
ウスバフユシャク同様、山地にも平地にも全国的に普通種。ブナ科、ニレ科、カバノキ科、カエデ科、クルミ科で15種ほどの食草が知られ、特にクヌギ、コナラを好んで食すようだ。山地では11月中旬〜12月中旬に発生し、平地では12月下旬〜3月上旬までダラダラと、ウスバから少し遅れて発生する。筆者が採集した、大沼の雑木林(2006年度)は1月下旬になるとクロテンのほうが圧倒的に多く、ウスバは擦れているものが目立った。♀は日没と共に動き出し、コーリングして配偶に至る。
比較ポイント

左:ウスバフユシャク 右:クロテンフユシャク
[前翅]
- 赤線で示した、外横線が前縁付近でウスバは、ほぼ曲がらず一直線で、対するクロテンはM1脈で「く」の字に曲がる
- 外横線の外側がウスバでは白っぽい鱗粉に縁取られることが多いが、クロテンはほとんどそれがない。
- 緑矢印で示した黒点はクロテンのほうが強く出る傾向が強い
- 色味は両種とも変異が多いが、クロテンはウスバのような褐色鱗粉を有することはほとんど無く、全体的に薄黄色な印象。
- 外横線と内横線の間は両種とも変異があり、極端に狭まることもある。そのため区別点とはならない。
[後翅]
黒点は比較的安定しているが両種とも薄くなる個体もあり、ウスバでは完全に消失する個体もある。
[開張]
両種とも開張27mm〜31mmくらいでほぼ同じ。
[メス]
見た目で判断するのはほぼ不可能で、交尾中の個体を採集するか、解剖で同定する。
参考

クロテンフユシャクの交尾 06.1.29 神奈川県相模原市 午後7時頃

ウスバフユシャク 05.12.30 神奈川県相模原市 開張28mm
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