カバシタムクゲエダシャク
Sebastosema bubonarium





1896年にWarrenによって新種記載された種で、産地は「日本」とだけされ詳しい採集地や採集時期などは記されていない。
1954年(昭和29)に新潟で佐藤氏によって海岸の砂防林内で再発見された。佐藤氏は野平安芸雄博士に同定を依頼し1957年に「エチゴエダシャク」として発表された。
1958年までに得られた個体は♂ばかりで10頭にも満たない数だった。
和名は野平博士よりも若干早く1956年に井上寛博士によって「カバシタムクゲエダシャク」と命名され、現在もこの名前が使用されている。

年1回3月中旬〜4月上旬に出現する早春型の蛾で、午前9時から活動を始める典型的な昼行性。
後に秋田と栃木で♂が見つかり、♀と思われる個体が栃木、群馬、東京で発見されたに過ぎない。
このうち栃木が唯一♂と♀が同一地(1日違い)で採れている記録となっている。この♀が産んだ卵から生まれた幼虫の飼育は失敗に終わっている。
日本での既知の記録は10♂4♀のみで♂は1970年より、♀は1992年を最後に発見の報告がないというフユシャク類の中では最も稀な種。
2001年3月19日に韓国で♂が採集されたのが一番新しい記録になる。

♀は交尾確認や飼育確認などをされてない為、消去法で♀とされているに過ぎず、別種の可能性も0ではない。
標本提供:佐藤力夫氏 中島秀雄氏