オオミズアオとオナガミズアオ
(Actias aliena aliena & Actias gnoma gnoma)
オオミズアオ本州以南亜種(写真左)(cat.2998)
全国に普通。バラ科、ブナ科、カバノキ科、ミズキ科など多数のホストが知られ東京の都心でも多数発見される本属最も普通種と思われる。春と夏に出現し、夏の個体は黄色みが強く、外横線が強くでる傾向にある。かつては北京から記載されたアルテミスという学名だったが、2008年に訂正され、日本から記載されたアリエナという種名に変更された。一般の人から問い合わせが最も多い種の一つでもある。
オナガミズアオ本州・九州亜種(写真右)(cat.2999) 2009.6.20 長野県塩尻市
食草がハンノキ属に限定される故にオオミズアオより個体数は少ない。両種ともに♀は丸みを帯び、触角の髭は短い。オオミズアオと同時に得られる事も多く同定には注意が必要。この2種の中間型のような個体は外見でも判断が難しい。和名である「オナガ」は参考にしない方がよい。図示したのは典型的な個体。一般にオオミズアオより小さいが、かなり小型なオオミズアオもしばしば見られる。
標本比較

[翅]
- 赤線で示したように翅頂がオナガのほうが尖り、外縁が丸みを帯びない。対するオオミズアオは全体的に丸みが強い。
- 青矢印で示す後翅眼状紋はオナガのほうが円形に近い
- ピンク矢印で示した前翅前縁の赤紫の縁はオナガの方が鮮やかで、前半分が白色。(下の触角拡大図でも分かる)
- 図示した標本にはほとんど見られない特徴だが、外横線はオオで波打ち、オナガで直線的な傾向
[触角]
- 緑矢印で示したようにオオでは黄色でオナガでは緑色(下の図参照)

[止まり方]
オオミズアオは平たく止まる一般的な形に対しオナガは後翅眼状紋を隠すかのように前翅を起てて止まる事が多い(新鮮な個体に多い?)

一番上だけオナガ。2008.6.14 山梨県甲州市 画像提供:一寸野虫さん
※これらの比較ポイントに全て例外があるので一つの比較ポイントで判断するのではなく。総合的に見て判断するべきである
生態写真

オオミズアオ夏型♂ 2009.8.12 埼玉県秩父 典型的な夏型。波打った外横線がよく見える。

オオミズアオ春型♂ 2007.6.16 新潟県魚沼市 かなり小型。

オオミズアオ夏型♀ 2009.9.5 神奈川県横浜市 外横線が直線的だがオオミズアオ。 画像提供:mizuaoさん

オオミズアオ春型♂ 2008.5.5 広島県呉市 翅形が尖って見えるがオオミズアオ。 画像提供:里山遊さん

オオミズアオ夏型♂ 2009.8.24 東京都港区 黄色みが強い典型的な夏型。 画像提供:フッカーSさん

オオミズアオ夏型♂ 2009.9.5 東京都港区 裏からでも外横線がよく分かる。 画像提供:フッカーSさん

オナガミズアオ春型♂ 2008.5.31 広島県呉市 典型的な春型オナガ。 画像提供:里山遊さん

オナガミズアオ春型♂ 2009.5.12 山梨県甲州市 触角が黄色く見えるがオナガ。 画像提供:ジスケさん

オナガミズアオ春型♂ 1998.6.14 山口県徳島市 後翅眼状紋の大きさが目立つ。 画像提供:花咲かおじさんさん

オナガミズアオ夏型♂ 2008.9.2 埼玉県さいたま市桜区秋ヶ瀬 当地ではハンノキが多いためオナガも多い。 画像提供:川北和倫さん

オナガミズアオ夏型♀ 2008.9.2 埼玉県さいたま市桜区秋ヶ瀬 ♀は明かりにはあまり飛んでこない。 画像提供:川北和倫さん

オナガミズアオ夏型♂ 2006.8 埼玉県東松山市 触角も綺麗に緑色で分かりやすい。 画像提供:Matszさん

オナガミズアオ春型♂ 2002.3.30 神奈川県厚木市 羽化直後の新鮮な個体。 画像提供:一寸野虫さん
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