オオトビスジエダシャクとフトフタオビエダシャクとウストビスジエダシャクとウスジロエダシャク
(Ectropis excellens&Ectropis crepuscularia&Ectropis aigneri&Ectropis obliqua)


オオトビスジエダシャク(写真左上)(cat.2792) 88.6.4 東京都三宅島 開張36mm 写真提供:がいすと氏
シャクガ科エダシャク亜科に属する。平地にも山地にも産する普通種で、キク科、マメ科、ブナ科、ヤナギ科、バラ科など多数の食草がある。4月頃から出現し、9月頃まで見られる。ウストビスジエダシャクに酷似し、同定には注意を要する。
フトフタオビエダシャク(写真右上)(cat.2790) 99.5.22 東京都青梅 開張35mm 写真提供:がいすと氏
平地にも山地にも産する普通種。やはり4月〜9月に発生し、食草もヤナギ、クスノキ、マメ、ミカン、トウダイグサ、ツバキ、ツツジ、ミズキなどにつき、多食性である。翅には個体変異があり、酷似するウスジロエダシャクなどとの混在に注意。春型は夏型よりも大きい傾向がある。以前から広葉樹を食べるタイプと針葉樹を食べるタイプの2タイプが知られていたが、現在本種はDNAにより2種に別れる可能性が高く、今後の進展に注目すべきであろう。
ウストビスジエダシャク(写真左下)(cat.2793) 58.6.21 東京都高尾山 開張37mm 写真提供:がいすと氏
オオトビスジエダシャクに酷似するが、平地にはあまり産せずやや山地性である。全国的に分布するが一般に個体数は少なく、採集しにくい。発生はやはり4月〜9月で、食草はクルミ科、フサザクラ科、ミズキ科、カツラ科などの報告がある。オスは触角が微毛状でメスは糸状。
ウスジロエダシャク(写真右下)(cat.2791) 95.5.22 東京都日ノ出町 開張29mm 写真提供:がいすと氏
4月〜9月に発生し平地にも山地にも産する普通種で、食草もヤナギ、クルミ、ブナ、バラ、マメ、カエデ、スイカズラなど、ほぼ同じ感じである。フトフタオビエダシャクに酷似し、同定には注意を要する。この属は集光性があるため比較的採集はしやすい。神奈川での記録は少ない。
特徴と比較ポイント

[オオトビスジエダシャク]
- ウストビスジエダシャクとは、赤線で示した外横線がウストビスジほど内方に屈曲しない事と、ウストビスジでは各線が赤褐色で黒色を表さない事に対し、オオトビスジは各線が黒色になる。
- 地色は全体的に他の3種よりも白っぽいが、南方のものはやや暗色なものが多い。
- 青矢印で示したM3とCuA1の外側に円形の暗色班がでるものが多く、フトフタオビやウスジロと区別できる。
- 緑線で示した後翅外横線が本種では強く屈曲する傾向にあるが、フトフタオビでは後縁付近でオオトビスジのように細かく屈曲せず大きく曲がる事が多い。
- 大きさは開張32mm〜50mmまでいるが、春性のものが夏性のものより大きい事が多く、さらにメスのほうが一回り大きい。
[ウストビスジエダシャク]
- オオトビスジエダシャクでも述べたが、外横線などの各線が赤褐色であることと、外横線の屈曲が強いことでオオトビスジと区別される。この区別点で他2種とも区別は可能だが、ここに示した標本は典型的な個体で、紛らわしい個体には注意が必要である。一般に個体数が少ないことと、弱山地性であることも重要である。
- 大きさは開張35mm〜45mmほどで、あまり変わらない。
[フトフタオビエダシャク]
- ウスジロエダシャクとは、赤線で示した外横線がウスジロではほぼ一直線に走るのに対し、フトフタオビでは内方に屈曲するが、あまり曲がらず一直線気味のフトフタオビもいる。
- 個体差もあるがオオトビスジよりも斑紋がはっきりした個体が多い。
- 大きさはオオトビスジと同じくらいだが、ウスジロは小さいものが多いため、比較のポイントになる。
- 赤線で示した外横線の外側に褐色の帯が沿って走る事で、オオトビスジやウストビスジと比較できる。
[ウスジロエダシャク]
- フトフタオビエダシャクで述べたように、外横線が一直線に走ることと、大きさが一回り小さい事でフトフタオビと比較できる。また、後翅の外横線もフトフタオビほど屈曲しない傾向がある。
- 大きさは開張25mm〜32mmと他3種よりも小さいものが多い。
- 翅型は全体的に丸みを帯び、慣れれば見た目の印象でも見分ける事ができる。
参考

オオトビスジエダシャク 05.5.7 神奈川県秦野市 開張41mm

オオトビスジエダシャク 06.8.12 神奈川県藤野町

ウストビスジエダシャク 06.4.30 神奈川県藤野町 開張39mm

ウストビスジエダシャク 06.4.30 神奈川県藤野町 上の画像と同一個体

フトフタオビエダシャク 06.3.21 埼玉県秩父市 開張39mm 外横線の屈曲が弱い個体

ウスジロエダシャク 06.4.30 山梨県道志村 開張31mm
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