2007年9月Borneo撮影遠征
中尾健一郎
4月の遠征では普通種の未撮影種が多数残ってしまったので、季節を変えて9月に再挑戦を決定。もう一つの理由は勤務先の会社が10月に合併を控え、仕事も一段落ついた機会を利用したもの。

今回の機材:4月に殆ど同じ。DC/ACコンバータだけ300Wに新調。

ライトトラップ用:100Wクリアー水銀灯1灯、安定器、20W誘蛾灯2本、40W電球型昼白色蛍光灯、180W車用DC/ACコンバータ、折りたたみ鋸、大型はさみ、ロープ(緑布セット用)

撮影機材:前回までのCanon Kiss DigitalNは撮像素子へのごみ付着がめだったので、KissDXに変更, 60mm F2.8 Macro, SIGMA 外付けリングストロボ、Compact Flash 4G2枚、今回はノートパソコンも持参

採集用機材:迷ったが結局何も持参しないことに決定

以上の重量15kg、かなり軽くなったのは変圧器を持参しなかったため
日時 場所
9/8 成田 今回はスターアライアンスのマイルを利用し、タイ航空を使いクアラルンプールへ深夜に到着、案内所で空港近くのReasonable Priceホテルを予約、一見やーさん風の案内人が2人がかりで車で案内、これは白タク代踏んだくれるのではと心配したが、彼らはコタキナバル出身ということで、現地のMr.Prudenteを良く知っているらしく、車内は打ち解けた会話となりひと安心。ホテルも値段の割にはまともで、コタキナバルのKinabalu Dayaホテルよりははるかにまし。疲れも出て安眠。
9/9 クアラルンプールから、コタキナバル マレーシア航空を使ったのではタダ航空券で来た意味もなくなるので、この際、格安航空会社のAir Asia航空を利用。ターミナルはメインターミナルから10kmも離れた場所で、外観はまるで倉庫。中は雑踏状態、カウンターで往復を購入すると日本円で2万円ちょっと、さすが格安。搭乗券は紙にプリントしただけのもの、座席指定も無。機体はA-320だが、当然、全席エコノミー、前席との間隔もせまい。機内の飲み物は全て有料。徹底している。フライトは遅れも無く、お昼頃、無事コタキナバル到着。携帯で、Prudente夫人に連絡、前回使ったライトエースでピックアップ。彼女の自宅へ行き、梅津氏の発電機を受け取る。
ラフレシア森林保護区D ガソリン満タンにしていざ出発、日本のガソリン代に比べ1/3 程度の安さなのでとっても得した感じ。1時間も走らない内にラフレシア森林保護区に到着。前回と同じ送電塔の下の開けた場所で明かりをセット。標高約1800m程度と思う。右手の山はGunung Arab(アラブ山)。確か2000mあるはず。
夕方から、小雨が降り出し、霧もでで、ほぼ最高の気象条件。点灯すると、直ぐに、派手なヒトリガのAreas galactinaの群れが明かりの周りを飛び回る。それに続き、前回も姿は見せた、ヨナグニサンAttacus atlasが今回もお出まし。残念ながらまともに止まってくれず、どこかへ行方不明。続いて、姿見せたのが、ベニモンコノハ属のPhyllodes staudingeriこちらは地面に翅を広げて止まってくれたので、何とか撮影可能、残念ながら少しピンボケ。その後は次々と飛来する蛾の撮影に追われる。ただ、期待したほどは顔ぶれは変わらない。同じく、Millionia fulgida、も飛んできた。外つけのリングライトを合わせると、カメラの重量は1.5kgオーバーで1:00 am頃には腕力の限界。この夜の撮影枚数は1000枚弱。
風景、他の虫
9/10 クロッカーレンジ国立公園1 G とりあえず、撮影種数を稼ぐため、前回、最終晩にナイターを少しだけ実施した、クロッカーレンジ国立公園で今回は一晩、再挑戦。ケニンガウ側の管理事務所に行き、ナイターの許可をもらおうとしたが、担当官は不在で、保護センターの女性がいただけ、一応説明したが、多分、上司には連絡してくれなかったはず。クロッカーレンジ国立公園を走る道は、内陸から製材を運ぶ産業道路。夜間も大型のトレーラーが轟音を立てて登ってくる。最近、道路を整備したらしいが、日本では環境団体が反対しそうな極端な環境破壊道路。切り崩した土砂はその場で近くの谷に捨てている。おかげで、道路沿いは、最高のナイターポイントの連続。時には両側に熱帯雨林を見下ろす。残念ながらポールを持参していないので、あたりに捨ててあった、廃材を使い架台をセット。ライトは100Wの水銀等と誘蛾灯2本で弱体、しかも「緑布」だが、環境が絶好で期待通りに蛾は飛来。この夜の撮影枚数も1千枚弱。
風景、他の虫
9/11 テノムからシピタンへの道路沿い H 今回、新しい場所を探索するため、ケニンガウからテノムの町へ向かう。地名からしていかにも旧英国植民地。車で走るとさらに強く英国風を感じる。なにしろ大きな交差点は全てロータリー、町の中の道路にはあちこちにバンプ、要するにスピード落とさせるための道路の盛り上がり。もちろんイギリスと同じ(日本とも同じ)左側通行。観光案内地図では、テノムから海岸のビューフォートまで道路があることになっているがいくら探しても見当たらず。さらに南に走り続けると、突然、山越えの立派な新しい道路が出現。クロッカーレンジの道とほぼ同じくらい最近作ったらしい。標高はさらに低いが、やはりとんでもない環境破壊道路で、おかげでナイターには最高のポイントが連続。低標高の自然林という環境では理想的、標高300m程度か。点灯するとまず集まって来たのは、ポルネオオオカブトの♂♀の群れ、合計20匹以上?その後はボルネオ風のクマバチ、アシナガバチ、ミツバチの大群。
蛾も来たけれど、あちこち、刺されて、痛みに耐えながらの撮影となりました。さすがに撮影枚数は少し落ちて、700枚程度。
風景、他の虫
9/12 クロッカーレンジ国立公園2 I 最後の夜であり、より低標高の場所も考えたが、適当な場所も見当たらず、またクロッカーレンジへ、ただ、今回は、西側。同じく、保護区管理センターに出向くが、こちらも担当官不在。住み込みのマレー人いるが、英語が全く通じず、諦めて無許可でナイター実施。この夜の場所も、最高の環境。ただ、不安は的中し、顔振れはあまり変わらず。4月には多数飛来した、大型スズメガのAmplypterus panopusは一匹も飛来せず。日本と同じく、環境の似た、山の中だと新顔のスズメガにはなかなか会えないもんです。この夜はまた1千枚弱撮影。
風景、他の虫
9/13 コタキナバル 午前10時に無事Mr.Prudente宅に帰着。簡単に成果の画像を彼に説明、彼ら兄弟は観光ガイドだが、カメラは大好き、特に兄の方は半分はカメラマン。自分のサイトも立ち上げています。http://www.cedeprudente.com。昆虫画像も少しあり。昼食を食べて空港から帰途へ。
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