Species name Amphipyra horiei Owada, 1996 ナンカイカラスヨトウ
Taxonomy  
Geographical
Range
高知県では, 海岸部に近い低山地で採集されるようで, 内陸の山地で得られた標本は全て前種であった. 本種が四国に分布することは, 種の分布像からみても当然のことであったが, Owada (1996)の分布図では四国は調査の空白地帯として残されていたので, 正式にはこの報告が四国初記録となる. なお兵庫県の標本からは本種は発見できなかった.この機会に, 主にOwada (1996)に従って本種の分布域を再記しておく. およそ東京付近を北限として,本州の中西部, 四国, 九州, 日本海側では佐渡島と隠岐, 伊豆諸島では八丈島まで, 南西離島では屋久島, 中ノ島, 奄美大島, 徳之島, 沖縄本島に及ぶ
Distribution map
Biology シマカラスヨトウ群3種の幼生期:本文で扱った3種の幼虫はこれまでに採集あるいは飼育されたことがあるのだが(船越,1986.1992;山本, 1987;杉,1998), それらの種の識別は容易ではない.3種とも古くからシマカラスヨトウとして扱われた幼虫 (山本,1965) と同じく, 腹部第8節背面の突起は大きく円錐状で,先端はするどくとがる.幼虫は3種とも単独性で特定の食樹はなく, ひろく落葉性の樹木あるいは灌木につくはずなので, 現状では飼育して羽化させる以外に種を特定する方法がない. おそらく船越(1986)が試みたように, 越夏後の同定可能な雌から採卵して得た豊富な幼虫の材料を比較して検討することがもっとも賢明な方法なのであろう.
Flying season
Remark

最近分離された本種は,前種とほぼ同大もしくはやや大型で, 前翅表の色調は]層濃い.前2種すなわちpyramideamonolithaでは, 腹部第4-8節側面に黒色毛を生じ, 各節間部には純白色の小紋を表わすのに対し, 本種では一切そのような模様を欠いている. この識別点は常に有用で, 肉眼でも認められるので本種の同定はたいへん容易である.また本種では, 前翅表面の環状紋はむしろ小さく, 中心部にはわずかな暗色鱗片を有するだけだが, 前翅を浅い角度で側方あるいは後方から見ると, 環状紋は鮮やかな銀白色に輝く. このような傾向は,前種の個体でも認められることがあるが, 本種のように顕著ではない.

Japan
Japan
Female
genitalia
Male genitalia 
References